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YOU COULD Be MINE.
Romancing Sa・Ga.

06. 雨の旋律の中

「あ……」

 頬にキスをされた彼女の口から、小さく切ない吐息が洩れる。

 男はそのまま背後からアイシャを抱きしめたまま彼女の顔にそっ手をやると横に向かせ、その唇に吸い付いた。アイシャは拒むこともなくその唇を受け入れ、少しだけ興奮したように、「んっ……んっ……」と吐息を漏らしていた。

 ホークは顔を離すと唇を舐めながら、

「やべえな……」

 と吐息混じりに呟く。

「え?」

 彼の低い呻きのような声に、アイシャはピクンと反応した。 

「抱きてぇよ……」

 少し荒い息と共に、男は素直で率直な気持ちを吐き出すようにアイシャの耳に囁いた。そして態とのようにウェットな音を立てながら、その首筋や耳朶に唇を這わせ始めたのだ。

「あ……んんっ……」

 アイシャはその愛撫にビクリと反応しつつ、正直困惑をしていた。

 まったく、抱かないと言ったり抱きたいと言ったり、と。そして、『どうしよう』、とも。しかし、「やめて」とも言えなかった。男のくちづけはだんだんと感覚を麻痺させていくのがわかるからだ。抗えない。どうしても……。

「せっかく……着たばかり、なのにな……服……」

 などと少し拗ねてみせるのが精一杯だった。しかしそれはまた逆に、男の心をいちいちくすぐっていた事に、アイシャ全く気が付いていなかった。

「じゃあ、脱がなくてもかまわねぇよ?」

 と、少し悪戯っぽくホークは言った。深いキスをしながら、後ろから抱き締められていたその手は少女の胸のふくらみの周りを愛撫する。服の上からもわかる、小さな突起を指先で優しく刺激すると、徐々に固くなるのを感じる。

「……ぁあ……ん……」

 アイシャはその刺激で身体を震わせ、切ない吐息を漏らしていた。なぜか目からは涙が滲む。これは多分興奮のためだ。

 彼は麻の服の上から唇を少女の胸に這わせていた。指とは違う、不思議な暖かい感覚が体を奔った。体を半分だけ彼のほうへ向けられたかと思うと、服の上から、固くなった突起を口に含むような仕草をされる。それは異様にもどかしかった。

「ふぁ、やぁ……、も……、あた……し、はぁ……はや……」

 何かを言おうとして、少女は言葉を飲み込む。恥かしくて、口にできない『何か』だった。しかし甘い吐息は勝手に漏れていくし、そんな自分の声によって恥ずかしさと同時にみだらなな興奮が高まっていく。

 そしてまた彼は背後に回り少女のうなじや耳朶に舌をゆっくりと這わせながら胸元をまさぐっていたが、徐々にその右手は服の中に差し入ってきた。だが決して、それを脱がそうとしないのだ。右手で少女の乳房を弄りながら、左手は、その白い足の間を滑っていく。立ったまま、その足を少しずつすらし、秘部へと触れた。

「ひぃ、やんっ!ぁ、いやぁ……っ……」

 アイシャは躰を大きくビクン!と震わせた。足も少しがくんと落ちる。ホークは、左手の指に確かにじっとりと纏わりつく熱いものを感じていた。(こいつは……)ホークは驚きつつも一瞬口端を上げた。もちろん、嬉しさからだった。

 アイシャの体の力が突然に抜けたので、乳房に添えられた手で少女が崩れ落ちないよう支えた。アイシャも、なんとか体勢を整えようとしていた。恥かしさで顔から火が出そうだったが、どうにも体に力が入らない。しばらくは耐えて立っていたが、たまらず、目の前に有った小さなテーブルに肘をついて、はぁ、はぁ、と息を荒くさせたまま顔を伏せていた。

「降参か?」

 その海賊の男はその肩書に似合う意地悪で少し邪な顔でニヤリと笑うと、そう言い放った。

 アイシャは無言でこくん、と頷く。

「いい子だ」

 まるでそれが号砲となったかのように、彼は背後からアイシャの服をあっという間に剥ぎ取った。少し乱暴な脱がせ方だったが、彼の興奮を感じられて、アイシャもその脱がせ方に仄かに心を熱くした。そして目の前のベッドへ軽く抱き上げ、再びその上に少女を転がしたのだった。

「意地悪な真似をして、悪かったな」

 そう言うとアイシャの隣に同じように寝そべり、彼女を安心させるために強く抱き締めると、その唇を徐ろに吸い上げた。数度にわたり少女の小さな唇をちゅっ、ちゅっとゆっくり口に含むように吸って顔を離すと、アイシャの泣きそうな顔が飛び込んでくる。

「あたし、まだホークさんのこと、好きかどうかわかんないんだよ……それでもいいの」

 少女は声を詰まらせながら、涙混じりにそう訴えた。そんな彼女の顔をまっすぐと見つめ、

「俺は、お前が好きだぜ。それで十分だろ」

 それを聞いては、アイシャにはもう何も言えなかった。そして自分の口や首筋、そして胸に這う、彼の舌の感触に再び思考を麻痺させられていった。

 直に触れる、自分の体を這いずりまわる、優しく擽る、彼の熱くて、滑る舌。

 なんてすごく甘美で、もどかしくて、愛おしい感触なんだろう……。

 アイシャはもう、考えるのをやめた。このまま彼に委ねておけば、何もかも安心のような気持ちになっていた。先ほどとは百八十度違う、前向きなあきらめだった。

 それが這うたびに勝手に口から洩れ、吐き出される、自分の声とは思えない、甘く、切ない声、この独りでに発せられる声は自分の気持ちを一番正直に物語っているようだった。何も拒絶しない、素直な魂の声。それが体中を満たしていった。それを自覚するとさらに、彼の手指、舌、足の一部、どれが自分の体に触れても、敏感すぎるほど感じてしまう自分がいた。その部分がとても熱くなり、大袈裟なほどに喉から泣声のような音が洩れ出て行き、その腕は男の身体に必死にしがみ付いていた。

 そして自然とその腕は、彼のシャツの背中からその中へと差入れられている。自分でも無意識のうちに男の素肌を欲していた。汗ばんだ小さな手が背中に這う感触に、ホークは思いのほか興奮を掻き立てられていた。

 他の女がこの背中をどんなに這っても、こんな感覚になったことは無いというのに。たまらずシャツを脱ぎ捨て、ふたたび少女をしっかりと抱き締めた。

 肌と肌を合わせるのは初めてだったが、その柔らかな感触とぬくもりに、ホークは興奮とともに一層愛おしさを加速させていく。

 そしてアイシャも、たくましい筋肉が隆起する、少し堅そうな躰は熱を帯びていて思いもよらないほど温かな男の肌の感触に、感動さえ覚え興奮が更に高まっていくのが分かった。

「……すごく、あたたかい。ホークさんの、からだ……」 

 自然とそんな言葉が口から漏れる。すると自分を抱き締める腕に少し力が入り、男は興奮のためその息が荒くなっていくのがわかった。その暖かな吐息もまた、素肌に当たってまるで見えない愛撫のように、お互いの感覚を刺激していく。

「……お前もな」

 そう囁くとともに、ホークは少し乱雑に思えるほどの勢いで、少女の柔肌を欲し、舌を、唇を、指を這わせていった。その荒々しい動きも今の興奮状態の少女にとってはむしろ快感でしかない。

 今やどこを触られてもゾクゾクと震えるほど気持ち良かった。男が少女の肌を這いずりまわるたびに甘い声を上げ続け、しまいには声がかすれていった。

 

「かわいいぜ……アイシャ」

 そんな行為のさなか、少女の耳元で時々、男は興奮し熱を帯び、掠れた声でこんな事を言う。そのタイミングも絶妙と言う他なかった。ホークが一度上体を起こして、アイシャの顔を見つめた。既に一回は絶頂に達したかのように顔をバラ色に上気させ、息を荒くし目を潤ませている表情の少女。そしてホークは彼女の足元に座ると上からアイシャの体を舐めるように見つめる。

 そして両手の平で乳房や腹、腰のくびれの部分をゆっくりと撫でる。その体を手にじっくり記憶させるようにゆっくりとその躰の上をなぞっていく。やがてその手は下腹部へと到達し、その白い両足を開かせると、そのたっぷりと蜜を湛えた花弁には直接触れることもせず、彼はただじっとそこを見つめて観察していた。

「や……、ねぇ、そんなに、見ないでぇ……。なんだかすごく、恥ずかしい……」

 アイシャは泣きそうな声で訴えた。だが、もちろんホークはやめようとなどしない。

「どうして恥ずかしい?とても綺麗だ」

 事も無げに彼は発する。その間も、すべすべとした太腿の感触を味わいながらその場所をじっと眺めていて、太腿の、内股に近い部分を指が這うとびくんと震え、花弁も反応する。彼にただ視られているだけなのにその場所がみるみる蜜によって潤っていくのがわかるほどだった。

「だって……そんなとこ、人に見られたことなんて……、あんまり……ないもん……」

 息も絶え絶えに、アイシャは呻く。

「あんまり?……以前にはあるのか?」

 ホークは、その言葉に目ざとく反応し、尋ね返してきた。

「……だって、き、昨日…。ホ、ホーク……さん、に……………ぃ……」

 それを聞くと、ホークはどこかほっとしたような顔をして、また、その場所の観賞に浸っていた。

 ただ見られているだけなのに、どうしてだろう……。昨日の事があるからだろうか、身体が思い出し、じんじんと其処が疼く。その場所が脈打っていて、彼にもそれが見えているんではと思う位……そう思うともっと恥かしくなり、その所為かその場所はさらに、痛いほどに疼きはじめていた……。

 しばらくは触れずに秘部を眺めていたホークだったが、再び身を屈めてアイシャに覆いかぶさるような体勢になると、顎や首筋、鎖骨に唇をゆっくりと優しく這わせる。

「あはぁっ……あっ……」

 先程よりもさらに感覚が研ぎ澄まされていて、敏感過ぎるほどの少女の反応が愛おしかった。ぞくぞくするほどに。アイシャ自身も驚くほどの快感に戸惑っていたが、乳房にその唇と舌が這うと、

「やんっ!はぁ…っ………ぁああ……っ!!」

 と、大きな声で反応する。先程も同じようなことをされたのに、得られる快感が段違いなのだ。そのことにも戸惑いつつ夢中になって男の頭にしがみつく。

 愛しくて、かわいくて仕方がない。もっと欲望にまかせてめちゃくちゃにしてやりたい程だった。いつもの俺なら躊躇いもなくそうしただろう。しかし今度こそそんなことをしてしまえば、アイシャは俺に怯えてしまうかも知れない―。ホークにとって、その事のほうがよほど怖かった。

 あくまで注意深く彼女の反応を見計らいながら、優しい快感の種を植え付けるように愛撫をし続ける。その舌は一度肩へと戻ると、アイシャを横向きに寝かせ背後に回ると背中にキスし、唇を這わせた。背後から乳房を弄っているとこの感触がアイシャはすごく感じるのか、さっきよりもっと大きく、そして切ない声を上げて快感に酔いしれていた。

「あぁ……ん……すごいよぉ……っすご……きもち……い……」

 思わずそんな言葉まで漏れ出てくるほどに少女は快感のとりこになっている。まるで体中が性感帯になってしまったようだった。

「んっ……アイシャ……なんて、かわいいんだ……」

 首筋に徴が付くほどのくちづけをするとホークは囁いた。

「本当……?んぁ……はぁ……あぁっ、あっ……」

 何度もかわいいと言われ、彼女は嬉しげな声を上げた。振り返ると舌を絡めて、唾液が口から漏れるほどの熱い口付け。口を離すと、ホークは身体を起こし、

「嘘は言わない。少なくとも、好きな女にはな……」

 そう言うと、彼女のヒップに手と舌で愛撫する。ときどきチュバ、と音を立てると、「やっ……」と、彼女はびくんと震えていた。

 そして、アイシャの脚をふたたび開くと、そのまま秘部に舌を這わせはじめたのだ。

「あっ……そっ……はぁあ……ん……! あっ!あぁっ、アァ………!」

 堪らず少女は大きな声をあげて悶絶する。そんな自分の声に自分でも驚いてしまう。どこか冷静な部分で、こんな声をあげていてははしたないと思われないだろうか、という心配まで湧いてきた。

 しかしどの声も、ホークにとってはまるで天使の歌声のようだった。そして、既に湖のようにタップリと水分を湛えたその場所の、そそり立つ孤島のような箇所を唇の先だけで吸い上げると、少女はシーツを掴んで、「いやぁっ、ひあぁっ!」と、甲高い悲鳴を上げた。構わずそれを吸い続けると、声は更にトーンが上がり、終いにはまるで絶叫しているような状態となった。声をあげ続けていたが、その声が高く、長く、律動的になったのだ。どうやら、蕾の刺激だけで軽く絶頂に達してしまったようだ。

 それに気づいたホークが顔を離すと、「うんっ……、」と呻き、目を固く閉じて瀕死の魚のように微かに跳ねて、絶頂の波に身を委ねている。口元に手指を充てて、恥ずかしがっているように見えた。

「そんなに、気持ちがいいのか?」

 ホークが少し意地悪に問うと、少女は潤んだ目をうっすらと開けると、男を見て、

「きもち……いいよぉ……はぁ……はぁあ……」

 と、恍惚の表情で応戦した。ホークはニヤリと笑うと、「素直ないい子だ」と告げ、愛しい少女の額に軽くキスをした。そして左手をふたたび下腹部へと滑らせると、昨晩と同じように熱い蜜壺の中へと指を滑り込ませた。今日はすんなりどころか、まるで吸い込まれるようにズブリ、と男の太い指が埋まっていく。

「やぁ……っいま………っだめぇっ……!」

 一度目の絶頂の直後に更に指を侵入されるということがことのほか驚きだったようだ。しかしすぐに

「やっ……やぁ………っ、あっ……すご、すごい……っ!くっ、ぅ……ん!!」

 アイシャはだんだん中の快感に気付き悶えはじめ、ふたたびシーツを掴み、身体を仰け反らせ始める。

 温かく少しざらついた、指に吸い付くような彼女の粘膜。すぐにそれは、昨日と同じようにすぐに隠微な音を響かせ始めた。

「今日は、もう少し頑張ってみるか」

 確かに、男はそう言った。アイシャがその意味を考える間も無く男は、更にもう一本の指を少女の中へ滑りこませたのだった。キツイかもと思ったが、すっかりと蕩けきっていた蜜壺は案外すんなりと二本目も受け入れてくれた。

「ひぁああああッ!!!あっ、あっ」

 昨日よりも自分の中で大きくなるその存在に驚きつつもやはりすぐに弱点を攻め続けられ、もはや少女は快感でおかしくなりそうになっていた。

「あぁっ、あっ、あっあっ、あっはぁ……!!」

 勝手に脚が開いていく。開いたほうがより感じることを自然に悟っている。

 くちゃ、ぐちゅ、くちっ、ぬちゅ、と魅惑的なリズムを立てて、目に見えて蜜が止め処なく溢れ出ていくのがわかった。

 (アレのせいなんかじゃあねえ、こいつ……元々こういう質なのか)

 興奮で息も荒くなったホークは、アイシャを抱き締め、愛しい女のその体温を全身で享受する。

 すると、突然、彼女が断末魔のような叫び声を上げた。

「もっ……はっ、だっ、だめぇっ……!来るぅっ、来ちゃうよおおっ…………うううううっ!!!」

 それと同時に、強烈に指を締め付ける感覚があった。律動的に、しかし昨日感じたそれより、凄まじく、まるで、そこからビクン、ビクンという音が聞こえるかと思うほどの凄まじさだった。

「イッたか……。よしよし。よく頑張ったな」

 ぐったりとして動けずにいる少女を、ホークは気遣うように空いている手で撫でさすっていたが、秘所が痙攣するたび「ふうんっ……」と吐息混じりに声が洩れる。体中をビクンっ……ビクン……っと震わせながら。何しろ続けて二度も絶頂に達したのだから、無理も無い。疲れのせいか、はたまた恥じらいのせいなのか、目も開けられないくらいのようだった。

 指をそこからゆっくりと引き抜くと、小さく彼女の口から声が漏れた。ホークは昨日と同じように指についた蜜を舐めとると、そっと彼女を両手で抱き締めた。

 

Last updated 2015/5/1

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